こんにちは。新規事業の課題解決をご支援するバックボーンワークスの伊藤です。
皆さまは、「これを売りたい」「こんなサービスを世に出したい」と起業や新規事業を考えたとき、どのように資金調達をしますか。
実は、資金の獲得方法で融資と並び人気なのが、補助金や助成金なのです。原則返済不要で、例えば、事業再構築補助金の場合、最高5億円の補助(2023年1月時点:10次公募予定 ※各種応募枠及び従業員規模により変動)があるため、補助金の種類によっては強力な資金調達方法になる可能性があります。
しかし、初めて申請、となるとわからないことだらけかと思います。そこでこちらのコラムでは、補助金の基本をわかりやすく解説します。ぜひ申請にお役立てください。
補助金とは
補助金とは、国や地方公共団体、民間団体が、事業者に対してお金を支給する制度です。なぜ支給されるのかというと、国の政策目標を達成するために、その目的に合った事業を、活性化させる必要があるためです。
国の政策とひとことで言っても、さまざまな政策があります。例えば、“中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する”ものづくり補助金、“ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的”とした事業再構築補助金。補助金の種類により、目的と仕組みが異なります。
補助金は、一か月程度の公募期間を設けるのが一般的で、期間内に所定の書類を揃えて申請します。予算や採択予定件数が決まっており、多くの場合は採択件数に対して応募件数が上回るため、言わばコンペ形式です。審査でしっかりと事業をアピールできるよう、提出書類の申請内容がポイントとなります。
補助金と助成金の違い
よく補助金と並べられる支援策として、助成金があります。国や地方公共団体、民間団体から支出されるもので、返済不要という点では大きな違いはありません。どちらも財源は公的な資金から出されるものですので、誰でももらえるわけではなく、申請や審査が必要になり、一定の資格が必要な場合もあります。
違いは「採択」のハードルの差にあります。先に記載した通り、「補助金」はコンペ形式ですが、「助成金」は、要件を満たせば受給できる可能性が高いです。どちらも要件を満たしていること、所定の様式に従って申請を行うことが必要ですが、「助成金」は要件を満たした事業者には(予算内であれば)原則給付されます。ただし、助成金の中には、補助金の色合いが強いものもあり、採択されないと支給されないものもあります。どちらも制度をよく理解したうえで、検討することが必要です。
補助金活用までの一般的な流れと注意点
(1)公募開始後申請
(2)審査
(3)採択
(4)交付申請
(5)交付決定
(6)事業開始
(7)中間検査
(8)事業終了、報告書の提出
(9)確定検査
(10)補助金額の確定
(11)請求書の提出
(12)補助金の受取
(13)効果報告
※スケジュールや内容は、実施主体が国や県、市区町村のように、行政機関単位で変わります。
補助制度の趣旨や目的、補助対象事業者、補助対象費目等が公表され、一か月程度の公募が開始されます。期間内に、公募要領に示された様式(フォーマット)に沿って、補助金申請を行います。補助事業実施予定内容、導入設備・システム等経費使用用途、金額、補助金額等を申請します。
注意:公募要領を事前に確認しましょう。補助金の目的に沿った事業内容か、お金が支給されるタイミングに問題ないか、注意が必要です。
申請をすると、各制度の所管官庁や事務局で「審査」が行われます。そこで採点が行われ、高得点な事業から順に採択されます。「採択」された企業に採択通知が発出されます。
注意:かなりなレアケースですが、競争率が高い補助金の場合、大幅に減額される可能性があります。補助金は申請額満額が出ない場合がありますので、注意が必要です。
採択されたら、補助金事業実施内容を確定させる手続きに移ります。補助金事業実施内容と購入する設備・システムの型番、金額等を確定させる交付申請を行います。事業経費を確定させるための書類(見積書、相見積書等)を添付して「交付申請」を行います。提出資料に問題がなければ決裁され、「交付決定」となります。
注意:「採択」と「交付決定」は、考え方が異なるので注意しましょう。
原則として、交付決定日以降から「事業開始」となります。ここから事業に必要な発注行為が可能となります。
注意:交付決定前に発注していたものは、補助事業期間外となります。事前着手が許可されていない場合、補助金の対象とならないので、注意が必要です。
補助金の種類によりますが、書類の整備状況等を事務局が確認する場合、「中間検査」となることがあります。そして「事業終了」となりましたら、事業完了報告書を事務局に提出すると、一連の書類を事務局が「確定検査」をします。
注意:交付決定されるとお金が支払われる、と認識される方が多いのですが、必ず事業終了後の報告書の提出が必要です。書類に不備があると支払われないケースがあるので、注意が必要です。
書類に不備がないか、補助事業以外のために使用されていないか等を確認し、問題がなければ補助金額が確定され、補助事業者へ「額の確定」通知が行われます。所定の様式に基づき「請求書を提出」すると、事務局は「補助金を振り込み」ます。
注意:多くの補助金は後払い制です。申請した事業総額と同額の資金を用意する必要があるので注意しましょう。
事業実施後、5年等の指定された期間は指定されたタイミングで、申請時に想定していた売上や効果が達成されたか、「効果報告」を行います。こちらが補助金活用の一般的な流れです。
注意:補助金は支給されて終了、ではないケースがありますので、注意が必要です。
補助金に関する用語まとめ
補助金を給付することを「補助金を交付する」といいますが、ほかにも下記の用語をよく使います。ご自身で申請される場合、知っておくと安心でしょう。
申請とは:補助事業者が補助事業を申し込むこと
審査とは:各制度の所管官庁、または事務局が申請書をもとに、補助金の交付を実施するのにふさわしい事業内容かどうかを審査すること
採択とは:各制度の所管官庁、または事務局が補助事業にふさわしい事業者を選ぶこと
交付決定とは:各制度の所管官庁、または事務局から補助事業者に『交付決定通知書』を通知、補助金が受けられる事業内容や金額が決定した状態のこと
実施とは:補助事業者が、申請した内容で事業を実施すること
報告とは:補助事業の実績について、何を実施し、どのような効果があったかを報告する事。報告書を補助事業者が作成、提出する。
検査とは:各制度の所管官庁、または事務局が申請内容どおりに事業が実施され、経費が適正に支出されたかを確認すること
確定とは:補助事業が適正に行われたと認められ、補助金額が確定した状態のこと
請求とは:補助事業者が、補助確定金額を各制度の所管官庁、または事務局に請求すること
入金とは:補助事業者の指定口座に、各制度の所管官庁、または事務局が請求された金額を入金すること
効果報告とは:事業実施効果の報告のこと
さいごに:補助金はコンペ形式
補助金について、少しでも理解は深まりましたでしょうか。助成金とは異なり、補助金はコンペ形式のようなものなので、申請時の提出書類で事業の妥当性や必要性をアピールすることがポイントとなります。書類に不備があると採択には至りませんので、補助金の申請に関しては、提出書類の内容が極めて重要であると言えるでしょう。さらに、交付決定後も補助金が振り込まれるまでのフローを守らないと、支給されなくなってしまうこともあります。
初めて補助金をご検討される方は、私たち、バックボーンワークスのような補助金支援企業に、補助金申請の支援を外注、委託することをおすすめします。
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